前回の記事では、ADHDの特性により引き出しぐちゃぐちゃ、机は教卓の前指定という絶対的劣等生の私の小学生時代から、家庭教師との出会いによって勉強の楽しさに目覚めた中学生時代のお話をしました。
今回は、私が実践して効果的だった勉強方法について書いてみたいと思います。
まずはADHDの特性を改めて記します。
多動性
落ち着いて座っていることが難しい。貧乏ゆすりなど、目的のない動き。
衝動性
質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう。思ったことをすぐに口にしてしまう
不注意
勉強などで不注意(うっかり)な間違いをする。仕事などでケアレスミスをする。
これを書いていて、この特性は学校生活に向かないわ・・・!と感動すら覚えました。
なんだこれ、このような特性があれば、適切な支援がなければ学校での授業で勉強することは難しい。
集団で何かを学ぶことに恐ろしく向かない。
大変だったね、過去の私。
私もそうなのですが、ADHDの特性には上記に加えて聴覚過敏などの感覚過敏がある方も多く、それが原因で授業に集中できないこともあるようです。
私は聴覚過敏なので、クラスメイトが授業中に私語をするとそれだけでもう集中力が切れてしまい、授業の内容は頭に入ってきませんでした。
頭の中で先生の声とクラスメイトの声が混ざり合い非常に不快で授業どころではないのです。
こんな私ですが、中学校からは自分に合った勉強法をみつけて、大学院修士課程2年博士課程3年、その後は研究機関に就職し人より長く、勉強、というか研究をしてきました。
自分に合った方法と環境さえ整えられればADHDだって勉強に集中することはできました。
ひと言にADHDと言っても特性には個人差があるので、あくまでも私の方法ですが、ご紹介したいと思います。
・学校の授業で何かを学ぶことをあきらめる。
授業中に先生の話を理解しようとすると教室のノイズでできなのですが、帰宅してから教科書を読むと理解できました。学校の先生の意味ない。
・宿題などの提出物の提出は教師に事情を話して配慮してもらうか、酷いストレスになるようなら諦めて代行を使う。
コツコツ興味がないことをやり続けることができません。漢字の書き取りとか、単純な計算問題とか、これも大切なことだとわかっているのですが、できませんでした。社会に出てからこまるよとお説教されてもできませんでした。もう仕方ないですね。
私は内心点を諦めて提出したことをありませんでしたが、割り切って代行に頼むか、先生にADHDの特性を話して支援してもらうのもいいかもしれないと思います。正しい理解と支援が可能な先生であればですが。
・絶対に集中できる空間の確保
前述したように不注意という特性に加えて聴覚過敏などもあるので、とにかく集中力がすぐに途切れます。
不真面目なわけではないのです。好きなことには恐ろしいほどの集中力を発揮します。10時間程度なら寝る食べる忘れてやり続けます。
しかし興味がないこと、事務作業や単純作業になるともうダメ。あら、こんなところに漫画が、あら、こんなところに蜜柑が、そういえば、昨日見た夢・・・空想の世界で1時間。あら、もうこんな時間、お腹減ったな。みたいな感じです。
できるだけそうならないように、個室、無音、机の上には必要なもの以外置かない、目につくところにも何も置かない、家族が入って来ない、という環境を用意します。
この環境には学生時代ずいぶん助けられました。家の外からの音にも敏感なので、受験勉強やテスト勉強は早朝していました。
・計画書を作り見えるとことに貼る
やるべきことをリスト化して優先順位、提出期限を記入、目に見えるところに貼ります。目につくところにないとやるべきことを面白いほど忘れてしまい、後になって青ざめることが多いので。これは親がしても結局見なくて忘れるので、自分で書いて張ってました。
・塾よりは家庭教師、または個人指導のある塾
塾にも通いましたが、うっかりミス、答えを先に口に出してしまうなどの特性、集中力が途切れやすいなどの特性があるため、1対1の方が特性に合わせた細やかな配慮が可能な家庭教師の方が合っていました。
1対1だと先生が話している時にぼんやりすることができないのですし、うっかりミスもどうして単純なミスをするのか、何が原因なのかとミスの癖みたなものを先生が一緒に解明してくれたので、ミスを繰り返さなくなりました。
単に「ミスに気を付けましょう」だと永遠に同じミスを繰り返してしまうので。
私が実践して効果的だったのはこのくらいでしょうか。
ADHDの方、そしてADHDのお子さんのご両親のお役に立てればうれしいです。