発達障害ちゃんと赤ちゃん

ADHDのこと、夫のこと、息子のこと、実家のこと。

モラハラとの暮らし③ 終焉

f:id:unohitomi:20191101003719j:image

 

②の続きです。

長いです。

 

両親、主に父からの強い要望により私はモラハラ男と同居することになりました。

 

父は言いました。

いつものように応接間の椅子に踏ん反り返って。

「お前はバツイチ出戻りのキズモノ。その自覚を待てよ。しかも三十路の年増や。年増のキズモノでもいいなんて優しい男の人を嫌がるなんて、どこまで根性悪いんや?もう病気やでここまでくると。自分がわからん病気や。自分がわからんキチガイに優しい人が結婚したいゆうてくれてるんやで。お父さんは、お前のためを思うてゆうてるんや。なあ、わかってくれよ。お前の為や。それともお前、キチガイ病院に入院するか?」

私「しません」

父「じゃあ、結婚しろ。わがままいうなよ。それにしてもお前は、次から次へ稼ぎのええ旦那見つけてきて、ほんまもんの結婚詐欺師やな」

私「…死んで」

父「そのおかしい頭も新しい旦那に治してもらえ。ほら、手出せ!握手や!結婚おめでとう!」

父は私の手を無理矢理握ると、骨が軋むほど力を込めて、痛さに顔をしかめる私に

「素直に痛いからやめてくださいとも言えんか?なあ?」

と更に力を込めて握ります。

父は50代後半でしたが、毎日のようにジムに通い、現役でトライアスロンを完走するほどの人でしたから力ありました。

私は別にやめてほしいとは思いませんでした。

好きにしたらいい。指が折れたなら折れたでいい。汚いから終わったらよく洗おうと思っていました。

何も言わない私に父は

「目付きが悪い。反抗的な目をするな。もっと素直になれ。M(モラハラ男)さんと結婚しろ。治してもらえ」

と言いました。

父と言う「素直」という言葉は「滅私従順」という意味です。

父はその場でモラハラ男に電話をして私が結婚に了承したことを伝え、これまでの私の無礼を詫び、両家の顔合わせの日程を決め、顔合わせの日に私が着る着物を仕立てるから、何色がいいかを尋ねました。

モラハラ男は「ピンク」と答えたようでした。「女の子らしいピンク」と。

 

翌日には着物屋が採寸に来て、翌週にはモラハラ男は代官山のマンションを購入し、翌月になり着物が仕立て上がると両家の顔合わせ食事会が行われました。

穏やかな食事会でした。

喋っているのはモラハラ男と私の父ばかり。

こういう場で女性が喋っるのは、はしたないことだと父から躾られたからではなく、私には話したいことが何もありませんでした。

細々とした懐石料理は美しく美味しかったし、さて、どうやってこいつらから逃げようかと、どこか楽しいような気持ちでもありました。

食事会の後、両親の計らいでモラハラ男とホテルに泊まりました。

モラハラ男はEDで、私はさらに楽しい気持ちになりました。

早寝の男の汚いイビキを聞きながら美しい金色のシャンパンをごくごく飲んで、あ〜、早くこいつをどうにかして、今度は好きな男と来たいよ〜と夜景を見ながら思いました。

 

男には結婚記念日は2人が初めて出会った日がいいからと適当に言って入籍を延ばし、早く逃げなくちゃと思いながらも代官山の私は一度も中を見たことのない新築のマンションに引っ越して、同居が始まりました。

引っ越して驚いたのですが、マンションは狭い1LDKでした。

これから家庭を持とうと買った新築のマンションが1LDKなの?狭くないか?

男は、だって夫婦は常に一緒にいたいものだから、僕のことちゃんと見ていてほしいしと。

一緒に暮らし始めて、僕のことちゃんと見てほしいの意味がわかりました。

男は、基本、何をしてほしいと言いません。

もちろん、私は言われないから、何もしない。

それじゃあダメだったのです。

例えば、リビングで男がテレビを観ながらウトウトする。

私はテレビを消す。

これだけじゃダメなのです。

男が言うには、そういう場合、テレビを消す、寝ているのだから眩しいだろうと部屋の照明を落とす、ブランケットを体にかけ、しばらくしたら寝室に行くよう促す。ここまでして当たり前だと。

だから、私がテレビを消して、別室に行こうとすると男は突然叫びました。

「眩しいよ!電気!電気だよ!言わなきゃ消してくれないの?寝てるんだよ?眩しいって言われなくてもわかるでしょ?こんなのいじめだよ!」

はあ?

起きてるじゃん。

めちゃくちゃ喋ってるじゃん。

きめぇなこいつ。

と思いますが、口には出しません。言葉が通じない人とは会話できませんので。

 

一事が万事この調子だから、狂いそうになります。

夕飯を作る。

男が指定した通りに毎日3品作る。

寝室で携帯をいじっている男を呼びに行く。

来ない。

20分経っても来ないからもう一度呼びに行く。

「あのね〜僕は忙しいんだよ。物事にはキリがいい時っていうのがあってね。君にはわからないかもしれないけど」など臭い息とアホな持論をブツブツ吐き出しながらやっと来る。

後で、わかったことだけど、終始携帯をいじっているのは、出会い系、風俗店の出勤情報、嬢のブログチェックのため。

そして5分でがつがつ食べて、食べ終わると食卓で寝る。

口からはよだれ。

 

朝起きると、私の服装を見て「気になってたんだけど、なんでミニスカートはかないの?」

「男を喜ばすことを知らなすぎるから。今度、服を買ってあげよう」

と。

喜ばせたくない。

私は私の着たい服を着る権利がある。

と言っても不思議そうにしてる。

「権利なんていうと怖い女だと思われて男にモテないよ」と。

モテたくないというのがわからないらしい。

女は男に性的に見られることに価値がある、男から性的に認められることを女は望んでいると思い込んでいて、否定すると「世間知らず」と笑われた。

笑顔がとても醜かったことを今でも覚えています。

他人を馬鹿にする人の引き攣った笑い。

こんなに醜いものがあるのかと鳥肌が立ちました。

テカった鼻の頭、皺々の口元、セックスとか自慰し過ぎの人独特の弛んで濁った肌、冬なのに体にぴったり張り付いたTシャツ、短パンの滑稽な姿。

 

ひとしきり説教で気持ちよくなるとセックスをしようとしてくる。立たないのに。ウケる。

恋愛工学本と女医が教える本当に気持ちいいセックスを愛読していると言っていたが、成る程、本は所詮本、何をされてもくすぐったいか痛いばかりでセックスとは呼べない、下手な整体師の練習台になったような虚無の時間が過ぎます。

私の服を脱がすこともしない。できないのか。

キスも口をぶつけるばかりで痛い。

逃げ出す手立てにと古い携帯やPCのデータを洗ったところ玄人の女性に入れ込んで、かなり通い詰めていたようだが、玄人の女性はお客様には何も教えてくれないものなのか。

でもまあ会話してるより、暗闇でくすぐったさに耐えてる時間の方がましでした。

 

そんな生活に転機が訪れました。

AKBの誰かしらが可愛いとテレビを観ながら言う男に私が適当に相槌を打ったのが気に入らなかったらしく、AKBの女の子達の努力、みんなから愛されていること、彼女達の生み出す素晴らしい芸術について顔を真っ赤にして延々と語りました。早口で。

そしてどうしても共感できない私に苛立ち私の腕を掴んで洗面所に連れて行くと「自分の顔をよく見ろ!○○(誰か忘れたけれどAKBの誰かの名前)より可愛いか?もっと笑え!○○みたいに笑え!見習え!」と言って私の顔を鏡にぶつけました。

割れる鏡。

切れるおでこ。

吹き出る血しぶき。

 

AKBが原因で血しぶきか、意味わからんなと思いながら、血が止まらないので警察に電話をかけました。

警察が救急車を呼んでくれて、病院へ。

警察が来て男に「電話番号は?」と尋ねているのに男は自分の電話番号さえ答えられず、ずっと「もう僕の人生おしまいだ」とぶつぶつ言っていました。

こんなことでおしまいなわけないだろうが腑抜けが。

反省して心を入れ替えて遠い国井戸でも掘りに行きやがれクソが。

 

警察には、彼のPCの中にある大量のおぞましい児童ポルノ画像、動画の存在を教えてあげました。

「信じていたのに裏切られた」と後から弁護士を通して届いた手紙に書いてありました。

本物の馬鹿だなと思いました。

 

おしまい