子どものいる生活

息子のこと、夫のこと、私の生活のあれこれ。順風満帆。

眠れない子に

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宵っ張りの息子。

保育園でお昼寝しているせいもあって、夜大抵は24時頃まで寝ない。

「僕は眠るのが1番嫌い。だって全然楽しくない。起きてずっといろんなことを考えていたいの。考えたいことがたくさんあるの」と言う。

「でも眠るのは体のためにはとても大事なことよ」と言ってみても効果は薄い。息子は24時就寝でもすこぶる元気だから。

「大人って子どもをコントロールするためにすぐにそういうこと言うよね。体のためにとか。心配してるとか」

「だって、体大事じゃない。寝ないと病気になるんだよ」

「僕は寝たくない。僕の体のことは僕が考えるから、お母さんは心配しなくていいよ」

「そんなの病気なっても一人で病院に行って、一人で薬を飲んで、一人で寝て、一人で治せる人の言い草だよ。あなたはまだ子どもで私の庇護下にあるんだから。病気になったあなたのお世話するのは誰?」

「お母さん…」

「そうでしょう。寝るのは大事だよ。もう寝てちょうだい」

「あーあ、早く大人になってずっと起きてたいなあ。お母さんに寝なさいって言われるの大嫌い」

「ふふふ、お母さんも子どもの頃は同じように思ってたよ」

「でしょう?」

「うん。それで大人になって一人暮らしをしてね、本当に夜ずっと起きてた。朝になるまで本を読んでたよ。あなたも大人になって自分の面倒が見られるようになったら好きにしたらいいよ。夜更かし楽しいよ」

「お母さんも夜更かし好きなんじゃん」

「好きだよ。夜は静かだし、誰も起きてないから安心だし、お母さん、昼間より夜の方が好き。昼寝て夜起きてたいくらい」

「夜行性だね。カブトムシみたい。僕は昼間も夜もずっと起きてたい」

「元気だね。でも大人になってからね」

「わかった。大人になってもお母さんは僕のお母さん?」

「そうだよ」

「よかった」

「さあ、もう寝て。おやすみなさい」

「おやすみなさい」

 

この子はあとどのくらい私の隣で寝てくれるのだろうと上下する可愛らしいお腹を見て思う。

あなたが自由に夜更かしできるようになった時、私はどこにいるだろう。

まだずっと先、でもきっとあっという間の未来。

それまでどうぞよろしくね。

 

今日も眠れなかった息子に読んだ茨木のり子の詩。

この詩を読むといつも夫のことが思い浮かぶ。夫は全然大男ではないけど。私には夫の詩に思える。

 

 

大男のための子守唄


おやすみなさい 大男
夜 冴え冴えとするなんて
それは例外の鳥だから
まぶたを閉じて 口をあけ
お辿りなさい 仮死の道
鳥も樹木も眠る夜 君だけぱっちり眼をあけて
ごそごそするのはなんですか

心臓のポンプが軋むほどの
この忙しさはどこかがひどく間違っている
間違っているのよ

おらが国さが後進国でも
駆けるばかりが能じゃない
大切なものはごく僅かです
あなたがろくでもないものばかり
作っているってわけじゃないけれど

お眠りなさい 大男
あなたは遠く辿っていって
暗く大きな森にはいる
そこにはつめたい泉があって
ひっそり燦めくものを汲みあげなければならない
ああ それが何であるかを問わないで

おやすみなさい 大男
一杯の清水を確実に汲みあげてこなければならない
でないとあなたは涸れてしまう
お眠りなさい 大男
二人で行けるところまでは
わたしも一緒にゆきますけれども